2005年12月31日

ゲームブック 今年の総評

今年は、創土社から「暗黒城の魔術師」と「諸王の冠」が、扶桑社から「火吹山の魔法使い」と「バルサスの要塞」が、チュンソフトからは「弟切草 八百比丘尼の斎」が、ホビージャパンからは萌え化「ロストワールド」である「クィーンズブレイド」が出るなど、創土社以外の出版社からゲームブックが出たという意味では躍進の年と呼べたのではないでしょうか。

ただし、創土社と扶桑社は前半のスタートダッシュはすごかったものの、後半は1冊も出ない状態となり、失速の感が否めません。
一方、チュンソフトやホビージャパンも、損益分岐点を越えられたのかどうか、気になるところ。



創土社は、出版ペースが落ちたものの、ぼく自身がそこまで急いでいませんでしたし、また、今後のラインナップが豊富であるため、そこまで不安ではありません。
気長に続けてください。
(創土社は先日、「グレイルクエスト」の第2巻である「ドラゴンの洞窟」の表紙をアップしました)
(「グレイルクエスト」は全8巻なのですが、いつ完結しますかね)

また、ゲームブックの募集が再開されましたので、創土社はまだまだやる気です。
応募する方も編集の酒井さんも、頑張ってください。



一方、扶桑社はFFシリーズが2巻で停まってしまい、その後、音沙汰がありません。
せっかくのビッグタイトルを擁するだけに、ここで終わるのは勘弁して欲しいですね。
できることなら未訳のものから順に刊行して欲しいですね。
BOXオンリーで出ても買いますので。



「弟切草」は購入したものの未プレイです。
パラパラ見た感じ、マッピングやアイテム管理がありましたので、ただの分岐小説ではないようですね。
あとがきがいきなり愚痴だったのは萎えます。
ただ、この誤植は校正で気づいてほしいところ。

ヨドバシカメラのゲーム書籍コーナーにも置かれているのですが、実際にこれが「弟切草」の新刊だと気づいている人はどれだけいるのでしょう。
また、気づいたとしても、1600円は手が出しにくいですよね。
せめて、過去の「かまいたちの夜」のアンソロジーくらいの値段で出さないと。

と、否定的なことも書きましたが、我孫子武丸本人が描く「かまいたちの夜」ゲームブックや、長坂秀佳本人による「街」ゲームブックは死ぬほどやってみたい。
(そういえば、PSP版「街」の追加要素に、PSPを買おうか真剣に悩み中)



「クィーンズブレイド」は高い。
ただ、最近ではアキバに平積みされるようにもなり、その手の需要で売れる分には問題ないかと。

また、気になったのは、2chなどでの萌え化への過剰反応でしょうか。
方向性が気に食わないのはご愁傷さまというしかありませんが、それが萌え化容認派を目の仇にしているのがなんともはや。
ゲームに嗜好があるのは当然ですから、嫌いなジャンルはあるでしょう。
しかし、それがそのジャンルを否定し、あまつさえ、そのプレイヤーまで否定するのは、同じゲームブッカーとして悲しいですね。
自分の考えが一般的だと思い込むだけでもおこがましいと思ってしまいます。
(そういえば、テレビゲームでも、ギャルゲーを毛嫌いする人は、そのプレイヤーを否定しますね)

ともあれ、萌え化であれ、当時の復刊であれ、引き続き刊行して欲しいですね。
正直言えば、本が大きすぎて読みにくいので、せめてノベルズサイズでお願いします。



ぼくはボーダフォンユーザーなのですが、今年中に現在発売されておるデジタルゲームブックがすべて発売されました。
(「火吹山の魔法使い」、「混沌の要塞」(バルサスの要塞)、「火吹山ふたたび」、「地獄の館」、「ザゴールの伝説」の5つ)

「火吹山の魔法使い」は浅羽訳の無断使用でいろいろゴタゴタしたみたいですが、その後は独自に翻訳をしたようで、かなりの直訳になっています。
正直、味気ないんですよね。
魔法なんか、みんなカタカナで、しかも、直感的でないものもあるのでかなり微妙。
315円の携帯アプリに時間とお金がかけられないのは分かっているものの、わざわざゲームブックをアプリ化する男意気が感じられないんですよね。
(おおまかな欠点は過去の日記にありますので、そちらをご覧ください)

また、日本で発売されなかった「火吹山ふたたび」と「ザゴールの伝説」の遊びにくいことといったらありませんでした。
それ以外の3タイトルは、過去の記憶を頼りに遊んでいたので、電車でのプレイも気にならなかったのですが、「ふたたび」と「ザゴール」はまったくの新規タイトル。
これはぼく自身の遊び方であり、それがゲームブッカーの何%に相当するのかは分かりませんが、ぼくは一方通行型のゲームブックでもマッピングをし、地図には誰と出会い、どんなアイテムがあり、どんなトラップがあったかを記しています。
アプリ版「ふたたび」は、頭の記憶力を頼りに電車でプレイしたのですが、序盤だけでぼくの頭は手一杯。
わざわざ記憶するより、ちゃんとメモを取ったほうが確実で負担も軽いことが分かってしまい、それ以来、面倒で遊んでいません。
家でメモを取りながら遊ぶのが一番なのでしょうが、それはそれでテンションが上がらないのです。
いくらオートマッピング機能や、1度選んだ選択肢が分かったところで、それだけでは次のプレイの参考にはならないんですよね。

アドベンチャーゲームでは頭がパンパンになることはありませんので、それはゲームブックとアドベンチャーゲームのフロー構造、メモの重要性の多さの違いが出ているのだと思います。
起こったイベントの総リスト、ないし、アプリ内にメモ帳のような機能があればよかったと、いまさらながらに思います。
(ゲームを中断してメールに書くこともできますが、それはそれで重い)
未訳のゲームブックがアプリ化されただけでも価値があると思っていたのに、そうではなかったのは思わぬ誤算でした。



今年は2ヶ月おきに、「FFシリーズ」を「d20」版のシナリオに置き換えたサプリメントが発売されました。
単純にマップを見て、そこで発生したイベントを思い出すだけでも懐かしい。
1冊約2000円と、攻略本として読むには割高ですが、それでも「ソーサリー」シリーズ4冊(まだ、最終巻は出ていませんが)だけでも押さえておくのが吉だと思います。



なにより、今年は、当ブログを含めてゲームブックのリプレイブログが乱立し、早くも栄枯盛衰した年でもあります。
ブログ「今頃ソーサリー」さんがなければ、当ブログ「パラグラフの狭間で」も存在しませんでした。
(そして、いまでは沈静化しましたが、ヤフオクでゲームブックを買いまくることもありませんでした)
ぼく自身、「悪夢」シリーズ以降はリプレイを発表しておらず、現在は「おいでよ どうぶつの森」の不定期日記ブログになっていますが、リプレイ用のゲームブックはすでにクリアしています。
ゲームブックの内容的にリプレイを書くのに恥じらいがあるのと、先に「ソーサリー」のフローチャートを完成させたいというのもあり、明確な時期は断言できませんが、来年もリプレイをやることをここにお約束します。

来年も、みなさんにリーブラやイシターの加護があらんことを!
posted by ドロシー! at 23:06| Comment(3) | TrackBack(0) | ゲームブック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 そっか。あんまり実感がわかなかったけど、今年はいろいろゲームブックが出版されたんだなぁ。
 「弟切草」の方は私も日記で、ややケチをつけるような感想を書きましたが、ゲームブックらしいゲームブックで満足しています。
 ああ、我孫子武丸さんがゲームブックを書いたら面白いだろうなぁ。彼の小説を読んでみると、絶対ゲームブック向きに思えるんですよね。

 それとドロシーさんのリプレイ日記、楽しみにしていますよ〜。
Posted by 山口プリン at 2005年12月31日 23:35
 自分がブログでゲームブックのリプレイをつけようと考えた一日前に『今頃ソーサリー』で68さんがリプレイを付け始めてしまったんですよね。英雄になり損ねた(笑)

>創土社
 パンタクル1.01新カバーのことも付け加えなければ……
Posted by 師走 at 2006年01月02日 00:38
あけましておめでとうございます。

>山口プリンさんへ
我孫子さんだと、たとえ叙述トリックものでさえ、ゲームブックにできてしまいそうだと思ってしまうのがすごいです。
後は、もうコンビを解消されましたが、「ツァラトゥストラの翼」で実績のある岡嶋二人さんでしょうか。
以前、ブログに書きましたが、ミステリとゲームブックは相性がいいと思います。


>師走さんへ
まるで、ベルの電話の話みたいですね。
ぼく自身、「自分が考えることは他人も考える」という考えを持っていますので、いかに早く発表したものが勝つかは、身に染みております。

>パンタクル1.01新カバーのことも付け加えなければ……
そういえば、「パンタクル」のカバーが変わりましたね。
子ども向けのカバーになりましたが、果たしてどれほどの子どもの目に触れたのでしょう。(禁句)
創土社版「展覧会の絵」を2冊持っている身としましては、バグフィックス版であろう再版まで待とうと思っているのですが。


それでは、月並みですが、今年もよろしくお願いします。
Posted by ドロシー! at 2006年01月03日 22:23
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